広島・長崎被爆70周年
「核のない未来を! 世界核被害者フォーラム」
世界核被害者フォーラム(PDF Japanese version)
開催にあたってご協力・ご賛同のお願い
2015年、広島・長崎被爆70周年を迎えるにあたって、次のような趣旨・要項で「世界核被害者フォーラム」を広島の地で開催します。
実りある実現のため、日夜、核のない未来を目指して種々の活動を進めておられる皆さまの結集とご協力をお願い申し上げます。
行事名:
広島・長崎被爆70周年「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」
日 時:2015年 11月21日(土)―11月23日(月祝)3日間
パートⅠ
10月10日(土) 原爆被害者特別セッション
会 場:広島国際会議場ヒマワリ、広島市まちづくり市民交流プラザ
主 催:世界核被害者フォーラム実行委員会(長崎・広島の反核平和団体で構成)
今や核による被害は、地球全体に広がり、深刻な事態を生み出しています。
2015年、広島・長崎は米国の原爆投下から70年を迎えるが、人類が滅亡の危機に直面する核時代の始まりの悲劇は未だ癒えず、地獄の惨禍をくぐり抜け生き延びてきた被爆者は、放射能の影響に今も苦しんでいます。この間、核を握る核権力によって、放射能による健康への影響の事実は矮小化され、あるいは隠蔽されてきました。被爆者は今なお原爆症認定訴訟を起こさねばならないし、多くの「黒い雨」被害者は国から見捨てられています。
1954年、アメリカのビキニ水爆実験で再び核の犠牲者を出した日本は、2011年3月11日の東日本大震災で起きた福島原発事故で破滅的な核災害に襲われました。福島をはじめ東日本の膨大な市民が生きる権利と生活を奪われ取り返しのつかない状況が生み出されています。
核利用のサイクルはウラン採掘に始まり、精錬、核兵器・核燃料製造、核実験、核兵器使用、原発稼働、原発事故、使用済み核燃料の再処理、核廃棄物の保管・処分、劣化ウラン兵器使用など、あらゆる段階で放射能による広範な環境汚染と人体への深刻な影響をもたらしてきました。
2千回を超える各地での核実験は世界中に放射能汚染を広げ、実験場周辺だけでなく広い範囲の住民の命と健康、暮らしを奪い取ってきています。
世界の400基を超える原発では、通常時でも働く労働者が被曝を余儀なくされています。チェルノブイリ事故、福島原発事故では膨大な量の放射能が放出され、数十万人の人々の命と健康、暮らし、ふるさとを奪い、地球規模で環境を汚染してしまいました。
ウラン鉱山では採掘労働者だけでなくウラン鉱滓、精錬廃液などの放射性廃棄物による環境汚染で周辺の住民は、がん、白血病などに苦しみ、子どもたちには先天性障害が多発しています。
核兵器や核燃料用ウランの濃縮過程で出る放射性廃棄物=劣化ウランの一部は兵器として湾岸戦争以来、バルカン紛争、ソマリア攻撃、イラク戦争などで大量に使用され、放射能による広範な環境汚染と人体への深刻な影響をもたらしてきました。
核の利用が、軍事利用であれ、商業利用であれ、深刻な放射能被害をもたらし、地球を破滅に向かわせるものであることは、引き起こされている現実が明らかにしています。たとえば、インドのウラン鉱山採掘現場、劣化ウラン弾を撃ち込まれたイラクの現場、ネバダ核実験場の風下住民の現場、そして原発大事故により失われた福島の人々の生活、健康、自然、いつもそこに見られるのは、一握りの権力者、資本の利益のためにいわれもなく理不尽に踏みにじられる民衆の犠牲です。
核兵器も、劣化ウラン兵器も原発も人間の生きる権利を根底から破壊してきました。核利用の過程で不可避的に出る放射性廃棄物、特に原発の使用済み核燃料やその再処理で出る高レベル放射性廃棄物は、処分方法も廃棄場所も全く見通しのつかない状態で人類の未来を脅かしています。
私たちは、広島、長崎被爆70周年に当たり、核利用がもたらした非人間的な核災害の原点・ヒロシマで「核と人類は共存できない」という核絶対否定の理念を掲げ、核兵器を廃絶し核利用を根絶するために世界核被害者フォーラムを開催しようとしています。また、3度目の核兵器使用を食い止めるための大きな力となった原爆被爆者の行動を確認し、原爆被害の実相を次世代へ継承するメッセージ付託の場をつくります。
フォーラムでは、表裏一体で進められる核の軍事利用と商業利用の核サイクルの過程で生じる放射線被害のさまざまな実態を明らかにし、被害者の救済を図る補償の国際的規範と体制を国際的連帯のもとにつくりたいと思います。
また、世界のヒバクシャが連携し、核被害をこれ以上ふやさないため、核被害情報センターを設置し、核利用サイクルを断つための国際的ネットワークを作る基礎を固める場とします。
フォーラムの宣言としてヒロシマから「世界放射線被害者人権憲章」を世界に発し、国連人権委員会、国際赤十字、国際NGOなど国際社会への働きかけをしていきます。
世界のヒバクシャは核被害の根絶のために連帯しましょう。